■建築研究報告

総プロ 「新耐震設計法の開発」研究報告  
新耐震設計法(案)

建築研究報告  No.79,  1977  建設省建築研究所


<概要>

  この耐震設計法(案)は、建設省が実施している総合技術開発プロジェクトの一つである「新耐震設計法の開発」における6課題20テーマにおよぶ研究成果にもとづき、また、学界、研究所、民間団体等の既存の研究成果をも併せて参考にし、構造物のより合理的な耐震設計法の開発を目標として研究開発されたものである。
  本設計法(案)は3編からなり、第T編においては、土木構造物および建築物の耐震設計に共通な基本事項が示されてあり、第U編および第V編においては、第T編の基本事項をうけて、それぞれ土木構造物および建築物の具体的な耐震設計法が示されている。

  本設計法(案)の作成方針はつぎのとおりである。
  1. 基本事項の共通化

  現在、一般的に使用されている耐震設計法は、過去の地震による構造物の被害の状況、強震観測網の充実に伴う工学的地震動の解明、構造物の種類と特性に応じた耐震構造計算法の変遷などが逐次反映し徐々に形成されたものである。従って、構造物の耐震設計法はその構造種別、用途等によって相違があり、また、構造物の種類の多様化に伴い耐震設計法も複雑化してきている。

  このような状況に対処するため、個々の構造物についてなされている現行の耐震設計法を一覧し、土木部門と建築部門の基本的な部分について共通化を図り基本事項として整理した。

  1. 設計手順の明確化

  従来の耐震設計法では、計算技法の手順が慣行として余りに定着しているため、ややもすると耐震設計の基本的手順に対する認識が不足する恐れがあった。

  本設計法(案)では地震力特性、構造諸特性、安全度の照査などの手順を常に念頭におき、いたずらに慣行的技法を盲目的に行うのではなく、適切な耐震設計を行いうるよう設計手順の明確化を図った。

  1. 設計作業の合理化

  耐震設計の設計作業は地盤特性、構造諸特性に応じた適切な内容であることが望ましい。本設計法(案)は耐震計算法の種類の選択に関する方針を示し、いたずらに複雑な計算法にとらわれることなく最新の技術的知見にもとづいた適格な計算法が選択できることとし、設計作業の合理化を図り得るものとした。



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