■建築研究報告

木造軸組壁のせん断耐力に関する研究

渡辺  丹, 川島  謙一

建築研究報告  No.59,  1971  建設省建築研究所


<概要>

  最近の木造建築における軸組壁は,材料ならびに施工法において,従来のものと異なってきている。
  すなわち,従来の軸組壁は,主として,木舞土塗壁,木,土塗壁等に代表されるが,最近のそれは,ボード,合板類を利用したものが多い。
  さらに,従来の軸組壁が,周知のとおり,建築基準法施行令第46条第3項,および日本建築学会木構造設計基準でその耐力が評価され,一般に耐力壁として,扱われているにもかかわらず,新建材を利用した軸組壁はまだ,その耐力性状が明確につかまれていないこともあって,耐力壁として扱われていないことが多いのが現状である。
  このような不合理を無くすため,実状にあった耐力評価を行うことが,必然必要となってくる。
  しかしながら,ボード,合板類にしても本来は構造材として作られたものではなく,それらの耐力ならびに軸組への取付け工法である釘打ちや接着接合が,耐力壁として扱った場合にせん断力,変形に対して,はたして信頼できる性能を発揮するかどうかについては,なお不明な点が多い。
  この報告は,主としてそのような新建材による木造軸組壁の実状調査とせん断耐力についての試験結果および従来の軸組壁との比較検討結果について述べ,木構造設計のための資料とすることを目的としたものである。



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