■建築研究報告

高性能フィルタに関する研究

藤井正一, 関根  孝, 伊藤和男 (25)

建築研究報告  No.53,  昭和44年3月  建設省建築研究所


<概要>

  「高性能フィルタ」(High efficiency air filter)とは空気浄化器の一種で,比較的小さい塵埃粒子を浄化する性能の高いものをいう。このフィルタは,原子力の開発とともに主として米国で開発されたものであるが,わが国でも原子力研究の進展にしたがって,高性能フィルタの国産化の必要がおこった。当所では昭和31年度から開始された「原子力利用施設の放射線障害防止のための設計基準に関する研究」のうちの一項として,「国産高性能フィルタに関する研究」がとり上げられて以来,現在まで引きつづき実施されているものである。
  この報告には,上記のうち,おもに昭和36年から同43年前半に至る間に行った事柄をとりまとめた。
  ここに収めたものは,いずれも高性能フィルタおよびそれに関連する塵埃粒子に関する研究結果である。

  1章では,昭和37−38年に行った高性能フィルタの性能試験のこと,2章では,その後に実施したフィルタの耐熱性,および国産の不燃性b材の試験(3章)について記した。その間に行われた高性能フィルタの主な対象である小さい粉塵粒子の測定例として,4章ではカーボンブラック,5章ではたばこの煙粒子,について述べた。6章では,再び高性能フィルタおよびそれより少し性能の低い中性能フィルタの除塵性能を,1章とは別の塵埃計を用いて大気塵について測定したところを記した。この章に述べたことの特徴としては,粒径に対する除塵効率を,やや明確に測定できたことである。  以上の内容の実施年次を参考のために掲げれば次の通りである。

     
1. 国産高性能フィルタの性能 昭和37-38年
2. 国産高性能フィルタの耐熱性 昭和40年
3. 国産不燃焼・材の性能試験 昭和39−40年
4. カーボン粒子と大気塵の粒径 昭和39年
5. たばこの煙の粒径 昭和38年
6. 大気塵に対する高性能フィルタの性能 昭和41年-43年

  以上の試験研究は,おおむね原子力試験研究費(科学技術庁)によったことを付記する。(1969年1月)



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