■建築研究報告

強震計の特性検定について

寺島  敦 (33)

建築研究報告  No.52,  昭和43年3月  建設省建築研究所


<概要>

  近来,各地に強震計が設置され,多くの強震計記象が得られるようになり,地震工学および地震学に貴重な情報が提供されるようになった。この得られた記象から,その最大振幅を測定して最大加速度を推定している。または,その波形からspectrumを調べることもされ,すでに多くの研究が発表されている。
  しかし,これらの情報がどのような制限をもっているかを知らなければ,われわれはこれらの情報から誤った判断をおろしかねない。地震計の特性は,その設計に当たり,理論的な特性を求めることができる。とはいえ,実際の地震計製作に当たっては,その製作過程において,最初の設計に対する誤差が入り込み,理論的特性と,実際に製作された地震計の特性は必ずしも一致しない。ゆえに,観測された波形を精密に解析するには,理論的特性ではなく,実際にその地震計の特性を計測し,その結果を波形解析に用いなければならない。
  現在までのところ,強震計の検定がなされたということを今まで正式に聞いていない。ただ製作会社製による仕様をたよりに加速度を推定しているのではないかと思われる。
  このたび,保坂振動計器製作所製の地中地震計MTBH-5C型を,上下動地震計1成分と,水平動地震計2成分の計3成分に改造したもの3台と,明石製作所製の強震計SMAC-BII型とについて,昭和42年2月末,この両地震計を同時に振動台にのせて両者の特性を比較検定する機会を得た。その結果を以下に報告する。



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