■建築研究報告

建築内装工事における接着工法に関する研究

今泉  勝吉

建築研究報告  No.49,  1967  建設省建築研究所


<概要>

  建築生産の近代化は,建築現場工事における内装工事に広く接着工法が採用される原動力のひとつとして大きく作用したが,接着工法はかなり短時日の間に開発された工法である上に,使用され得る接着剤の種類も多く,それに応ずる被着材料の種類も同様に多く,かつそれらの性質も多様で,しかも新しい建築材料を対照とする場合には,被着材料の接着性能に及ぼす影響も考慮しなければならない場合もある。また接着施工を実際に行う施工者も,現状では,接着技術専門に訓練を受けた者がきわめて少ないのが実状である。それらの理由から,現実には建築現場で内装工事に接着工法が数多く採用されているにもかかわらず,標準的な工法も,試験方法も確立されておらず,また用途に応じた選択指針もきわめて少なく,建築設計上からも施工上からも,安定した接着工法の究明が強く要求されている。
  本研究は,内装工事別に使用される主な接着剤の接着性能を実験的に究明するとともに,実用的な建築現場用接着力試験器2種を試作して,建築現場における接着力の現状を把握し,接着強度発現に関する実用式を求め,これにより実験室的な接着力と現場における接着力との関連性を求め,建築設計施工上において必要な接着工法の標準化のための実用的,合理的な接着性能判定試験方法を確立し,あわせて建築内装工事用接着剤の合理的な選択指針を提案することを目的としたものである。

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