■建築研究報告

群集流の観測に基く避難施設の研究

戸川  喜久二

建築研究報告  No.14,  1955  建設省建築研究所


<概要>

  群集流動に関する研究は過去に木村幸一郎・伊原貞敏両博士の「建築物内に於ける群集流動状態の観察」があり、又伊藤滋博士の「省線電車駅に於ける旅客施設の設計について」の論文中第2章に取扱われている。筆者の小論も群集を求めて、市街地舗道に、或は駅構内・百貨店・劇場等における観測を主とした点は前記2論文の跡を追うものであるが、終始避難時という特殊の観点に立ち、群集流を動的状態にて把握、混乱の所在を解明し、群集の集結・流出・滞溜の3現象の計算法を提示、且つその結果に基く建築設計に必要な適正規模の求め方に合理的解法を与えたことが前記2論文と異る点である。
  観測は昭和26年5月に始まり、昭和29年9月現在に及んでいるが、年毎に施設の改善、或は車輛の増加等により混雑緩和の傾向にあるのは喜ばしきことである。但し避難時群集流研究としての資料価値はむしろ改善以前にあるので、今は稀少例と化しつつある昭和26年の激しい群集混雑の証例を最も多く引用する結果となった。
  研究の種々の段階において有益なる助言を賜った碓井憲一研究員・藤井正一研究員・久我新一研究員に、又連日早朝より実測に、或は写真撮影に協力された内藤洋助手・岡樹生助手に茲で感謝の意を表する。
  又論文提出に長く時を与えられた所長藤田金一郎博士並びに部長酒井勉氏の御寛容に、又本論文完成に文部省科学試験研究費の助力を得たことを銘記して長く感謝の意を表する。

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