■建築研究報告

都市交通計画における社会経済指標の予測手法と適用性

菊地正倫

建築研究報告  No.110  1986,  建設省建築研究所


<概要>

  現代日本の社会構造の変化は著しく,都市交通においてもそのさま変わりは質,量ともに相当に激しい。その一面は特にモータリゼションの中に強くあらわれている。このような中で,都市交通計画の策定に必要な将来交通量の予測手法は一応確立している。しかし社会変化をあらわす人口社会経済指標,自動車保有台数などのいわゆる「外生的条件」については,予測システムの中で充分な検討がなされてきたとはいえない。
  本研究において都市交通計画におけるまず外生的条件の位置づけを明らかにし,その予測手法について体系的な整理を行い,また外生的条件の予測の信頼性についての分析を行っている。更に外生的条件の中でも今後の都市交通計画に大きなインパクトを与えると考えられる自動車保有動向について新しい視点による解析方法を提案している。

第1章では,研究の目的と概要を明らかにした。

第2章においては,過去に行われたパーソントリップ調査に基づく総合交通体系調査のレビューを行い,外生条件がどのような形で分析,予測されてきたのかを体系的に整理した。

第3章においては,外生的条件の予測手法の信頼性について検討を行った。ここでは,仙台都市圏をケーススタディとし,過去のデータを使用した予測がどれだけ現在の状況を押さえているかを明らかにすることで予測の評価を行っている。

第4章は,自動車保有構造の分析を行っている。自動車保有動向は今後の都市交通計画の重要なカギを握っている。ここでは,地域構造が自動車保有動向に与えるインパクトを解析し,自動車保有動向の将来予測の改善に指することをねらいとしている。

第5章のあとがきでは今後の課題を含めて,本研究全体のとりまとめを行っている。


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