■建築研究資料

1995年10月9日COLIMA沖地震被害調査報告

勅使川原  正臣

建築研究資料  No.88,  1996,  建設省建築研究所


<概要>

 本報告は、筆者(当時、建築研究所国際地震工学部主任研究員)が、日本国際協力事業団(JICA)の技術協力であるメキシコ地震防災技術協力プロジェクトの技術指導の短期専門家として当地のCentro Nacional de Prevencion de Desastres(CENAPRED)へ1995年10月9日から10月26日に赴任中に遭遇したメキシコ合衆国太平洋岸沿いコリマ沖を震源とするM7.6の地震による被害の調査をまとめたものである。
 本地震は1995年10月9日朝、メキシコ合衆国コリマ州沖南東15マイル(北緯18.7度、西経104.3度)で発生し、マグニチュードは7.6(米国G.S発表)であった。この地震により当国有数の保養地であるコリマ州マンサニージョ市にあるホテルの崩壊による21名を含め、おおよそ50名に及ぶ尊い命が奪われた。また、マンサニージョ市をはじめとしてコリマ州、ハリスコ州の太平洋岸一帯に点在する集落において家屋の倒壊、地盤変状等の被害が発生した。
 本地震調査ではコリマ州、ハリスコ州の太平洋岸沿いの市町村における構造物の被害状況と被害をもたらした要因の分析、入力震度の推定がなされている。

はじめに

 さる1995年10月9日朝、メキシコ合衆国コリマ州沖で発生した地震は、マンサニージョ市にあるホテルの崩壊による21名を含め、おおよそ50名に及ぶ尊い命を奪った。さらに、このコリマ州マンサニージョ市をはじめとし、コリマ州、ハリスコ州の太平洋岸一帯に点在する集落において家屋の倒壊、地盤変状等多大な被害を及ぼした。
今、耐震技術の協力、移転の重要性が国際協力、国際協調の旗印のもと声高に叫ばれている中、メキシコに於ける地震による建築物の被害の様相を理解することは技術協力の方向性を見出す点からも重要である。
 本報告書は今回の地震による被害状況を速報形式でまとめたものである。限られた時間と資料のため説明が不十分な箇所が多くあるがお許し願いたい。
 筆者は日本国際協力事業団(JICA)の技術協力であるメキシコ地震防災技術協力プロジェクトの技術指導の短期専門家として当地のCentro Nacional de Prevencion de Desastres(CENAPRED)へ1995年10月9日から10月26日の間の派遣中に今回の地震に遭遇した。CENAPREDのカウンターパートと当センターの日本人チームと協議の上10月12日から14日までの3日間コリマ、ハリスコ両州の太平洋岸一帯を中心に被害調査を行った。


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