■建築研究資料

例外規定をもった多段階間接税が建築生産に与える影響に関する検討資料

野城  智也

建築研究資料  No.75  1992,  建設省建築研究所


<概要>

  この資料は,1986年度建設省住宅局を中心に行われた「売上税」が建築生産に与える影響についての検討内容を記したものである。
  「売上税」はその法案が提出されたものの,国会審議において廃案になった幻の間接税である。建築生産との関連においてみると,現時点で運用されている「消費税」と異なるのは
  住宅の建築に係わる請負は,元請・下請に拘らず非課税という点であった。検討の大半は,この例外規定が建築生産に如何なる影響を与えるという点に費やされている。

  資料は二部構成である。

  第一部は,資料本編の解説であり,1992年の時点で記されたもので,間接税が建築生産に与える影響について一般的に論じられている。
  第二部は,資料本編で,1987年時点で当時の建設省住宅建設課係長の筆者が,参加していた非公式の研究会の記録,筆者の文責において手書きでとりまとめた行政資料を原典としている。ここでは,まず,課税上何処までが「住宅」とみなしうるか等,非課税−課税の取り扱い範囲についての検討内容が示されている。次に,住宅の生産に及ぼす影響について,流通,設計業務などに着目した検討を行っている。さらに,公的セクターにおける積算,発注のありかたや,建築産業政策のありかた,維持保全のありかたについて考察を加えている。

  その史料的意義と問題の重要さに鑑みて,研究会に熱心に参加した同志の方々の労に,この資料集が少しでも報いることができれば誠に幸いである。


建築研究資料一覧へ戻る |  出版物一覧へ戻る



前のページに戻る



 所在地・交通案内
関連リンク
サイトマップ
お問い合わせ
リンク・著作権


国立研究開発法人 建築研究所, BUILDING RESEARCH INSTITUTE

(c) BRI All Rights Reserved