■建築研究資料

常磐線における中古ミニ開発住宅の実態調査

峯  成子,   森本  信明,   中大路  美智子   他

建築研究資料  No.36,  建設省建築研究所


<概要>

  本研究資料は、常磐線沿線における中古ミニ開発住宅を主な対象に、入居者に対するアンケート調査を行った結果をとりまとめたものである。当研究部においては、特別研究「都市住宅の立地・形式に関する研究」に関連して、ミニ開発の問題をとりあげてきている。すでに、東京都の周辺の区部における新規のミニ開発調査(1978.11)が行われている。本調査はそれにひきつづき、常磐線において新しく供給されたミニ開発や団地の居住者に対するアンケート調査と同時併行的に行われたものである。
  それ故、本調査は「はしがき」にある如く、これにつづく「首都圏における中古ミニ開発住宅の実態調査」のボーリング調査であるとともに、常磐線におけるミニ開発の新旧比較を行うという役割ももっている。調査の対象は単に中古のミニ開発にとどまらず、中規模開発地に供給された住宅の居住者をも対象としている。

  調査結果から得られた主な結論は、以下のようなものである。
 (1)小規模敷地のもの程、転売されやすい。
 (2)取手T団地を除き、非水洗の便所の比率が高い。
 (3)中古購入者に事務的職業ないし専門・技術的職業の比率が高まっている。(常
   磐線個有の特徴)
 (4)定住層の中には、ある種の沈澱状況がみられる。
 (5)常磐線沿線を居住地として特に選びたかったとする比率は低い。
 (6)中古住宅の情報源は「不動産業者」「知人」が相半ばしている。
 (7)環境の全体評価は全ての地区において「よいほうだと思う」と答えた人の比率が
   高くなっている。特に定住層の評価は中古購入者よりも高い。
 (8)建て替えをしたものは少ないが、増築をしたものはかなりの比率を占めている。
 (9)松戸の例では、入居者の予想価格と、購入時の価格から求めた住宅価格の上
   昇率は年率10%をこえている。
 (10)「移りたいが費用の点等で無理」という「やむをえず定住」を選択する層の比率
    が高い。


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